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Mar 15 th  Key Note Lecture

演者紹介・抄録

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細胞外マトリクスと血管壁の維持機構

筑波大学生存ダイナミクス研究センター教授 柳沢裕美

 

大動脈では心拍出によるメカニカルストレスに対して、弾性線維や膠原線維などの細胞外マトリクスが「伸び縮み」や「引っ張り強度」を付与して血管壁を維持している。Fibulinファミリーは、生体内で弾性線維や膠原線維の形成に重要な働きをする細胞外マトリクスである。私たちは、大動脈瘤を発症する平滑筋細胞特異的fibulin-4 欠損マウスと、大動脈の伸長と蛇行のみを認めるfibulin-5欠損マウスの比較検討から、弾性線維が細胞膜上のインテグリンに結合し、接着斑の形成を介してアクトミオシン系へと連結し「elastin contractile units」を形成することで、大動脈のメカニカルストレス伝達機構を維持することを提唱した。さらに、メカニカルストレスに応答して分泌されるメカノトランスダクション制御因子が大動脈の病態に関与していることも報告した。本講演では、この大動脈における解剖学的・機能的連結である「elastin contractile units」の破綻による大動脈瘤の発症機序及び創薬ターゲットの探求と、ラマン分光法を用いた大動脈瘤を識別するラベルフリーイメージングについてご紹介したい。

略歴

1986年、筑波大学医学専門学群卒業

1986~1988年、筑波大学病院内科研修

1993年、筑波大学博士課程(医学)修了

1991~1998年、テキサス大学サウスウエスタン医学センターポスドク研究員

1999~2003年、テキサス大学サウスウエスタン医学センターインストラクター

2003~2011年、テキサス大学サウスウエスタン医学センター助教授

2011~2015年、テキサス大学サウスウエスタン医学センター准教授(テニュアド)

2014~2015年、筑波大学生命領域学際研究センター教授兼任

2015~現在、   筑波大学生存ダイナミクス研究センター教授

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